莫言講演集出版記念会 東大で開催

8月 4, 2016

 さる7月29、30の両日、「現代東アジア文学史の国際共同研究」シンポジウムと「莫言文学の思想とその精神」邦訳集の出版記念会が東京大学で開催された。これには中国現代文学研究の大家である藤井省三教授が主宰したもので、南京大学教授の丁帆氏、王彬彬氏、吴俊氏、南京師範大学教授の林敏潔氏、慶應義塾大学教授の長堀祐造氏および米国、韓国、シンガポール、両岸三地(中国本土と台湾・香港・マカオ)の多くの研究者が出席した。そのほか日中協会の白西紳一郎理事長、日中友好協会の小菅久男常任理事、翻訳家で静岡大学教授の桑島道夫氏らも「莫言文学精神」日本語版二巻の完結に対する祝辞を述べた。
 会議は現代東アジア文学史研究報告会と莫言講演集(邦訳)出版記念講演会の二部に分かれ、前者の各セッションではまず3人の学者による研究報告に続き、討論が行われた。丁帆・教授は「民国文学の台湾における延長問題」をテーマに、独自の斬新な視点から民国期文学の台湾文学に対する影響を論じた。王彬彬教授は「光復会・同盟会間の抗争の魯迅に対する影響」を考察し、呉俊・教授は世界華文文学を概観し、その民族主義文学との関係を解読した。そのほか、米コロラド大学のフェイ・クリーマン教授、韓国・東国大学の金良守教授、静岡大学の南富鎮教授、名古屋大学の星野幸代教授、南洋理工大の関詩珮准教授、台湾大学の張文薫准教授、松本清張記念館の柳原暁子学芸員らが報告を行い、九州大学の秋吉收准教授、日本大学の山口守教授、早稻田大学の小川利康教授らが司会・コメンテーターを務め、参加者一同で熱い討論を交わした。

 シンポの特別企画として莫言講演集(邦訳)出版記念講演会が開かれた。周知の通り、ノーベル文学賞受賞者の莫言氏は現代中国文学を世界に向けて大いに発信し、世界文学の交流と発展に寄与してきたが、一方で、莫言作品を各国に紹介してきた翻訳家たちの大きな功績も見落としてはならず、莫言氏自身も「翻訳家の功徳は計り知れない」と語っている。ここではかつて莫言の「名誉回復」を図り、莫言文学本来の味わいを日本の文芸界に紹介し、大江健三郎氏が高く評価した藤井省三氏を言及しなければならず、このセッションも同氏は司会を務めた。莫言講演集を藤井教授と共訳しつつ、自ら同書の主編も務めた林敏潔教授が、「日本における莫言」の講演を行った。林教授は日本における約三十年間の莫言受容史を詳述し、その受容は決して順調なわけではなく、低調の時もあればブームの時もあったこと、さらには莫言が中日文化交流においてさらに大きく貢献することを期待したいと述べた。藤井教授と莫言短編集『中国の村から』を共訳した長堀祐造・慶應大教授が、莫言の自伝的小説「変」の翻訳を中心に自らの翻訳体験および莫言との交流史を語った。その後、藤井教授が手短に討論の総括を行い、「莫言の思想と文学―世界と語る講演集」と「莫言の文学とその精神―中国と語る講演集」2冊の日本語版刊行を紹介した。講演会に聴衆から言葉が寄せられ、邦訳がより多くの日本市民が莫言及び中国に対する理解を高めてほしいと期待した。
 アカデミックな雰囲気の中、シンポ・講演会は終了した。これを機に中日文学および東アジア文学の交流が、東アジア各国間の友好をさらに促進し、美しい世界の平和がより確実なものとすることを期待したい。〔東京8月4日発中国通信〕

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