社会問題が中国の発展を制約、社会科学院の研究報告指摘

1月 18, 2005

(中国通信=東京)北京18日発新華社電によると、中国社会科学院の2004〜05年社会情勢分析・予測調査研究は、「現在、中国の経済、社会はこの10数年で最良の時期にあるが、農民が土地を失い、所得格差が拡大するなどの社会問題が中国の発展を制約しており、十分警戒する必要がある」と指摘している。

時事週刊誌「瞭望」の最新号によると、この研究を担当した李培林研究員は次のように指摘している。

この1年、中国の経済、社会資源は全面的で、調和のとれた、持続可能な発展の目標により一層近づく、合理的配分が行われ、経済、社会はこの10数年で最良の時期にある。同時に社会問題も非常に深刻で、他国・地域の発展経験と異なる特殊な国情があり、十分警戒しなければならない。

農民が土地を失い、社会矛盾が激化している。現在、急激な工業化と都市化の中で、土地を失った農民の状況は深刻な社会問題になっている。昨年、陳情件数が大幅に増えたが、そのかなりの部分が土地を失い、適切な配慮も公正な補償もない農民のものだった。土地の収用量と農民の1人当たり土地保有量に関する控えめな試算でも、現在、全国で土地を失った農民は約4000万人にのぼっている。こうしたことで起きる社会矛盾と衝突にはさまざまな原因があるが、最も主要なものは土地収用の拡大に対して法整備が大幅に遅れ、土地収用補償が低すぎることである。

所得格差が一層拡大している。昨年行った都市部5万世帯のサンプル調査によると、上半期、所得が最も高い方の10%のグループは1人当たり可処分所得が1万3322元で、全国平均の2・8倍だった。最も低い方の10%のグループは1397元で、全国平均の29%だった。高所得と低所得のグループの1人当たり可処分所得を比較すると、9・5対1で、前年同期の9・1対1より拡大した。地域間、業種間でも所得格差が拡大する傾向がみられる。

雇用情勢が依然として長期的困難に直面している。労働力需給総量をみると、都市部の新規労働力に既存の一時帰休者、失業者を合わせると、都市部で毎年2400万の雇用が必要であるが、新規雇用は毎年、最も多くて900万前後で、労働力の過剰が際立っている。このほか学生の就職難も新たな雇用問題になっている。昨年、約74万人の学生が仕事を見つけられなかった。

貧困を減らすことが依然として新世紀の重責となっている。改革・開放から25年、中国の貧困者数は2億5000万から2900万に減り、貧困発生率が30%から3%に下がった。しかし現在、農村の絶対貧困基準は1人当たり年間純収入625元以下で、国連の基準の約900元を下回っている。中国の貧困削減対策は正念場を迎えている。

腐敗対策が政治体制改革の重点となっている。規律検査、監察、検察、会計検査の各機関は腐敗対策に大量の人力、物資を投入し、力の入れ具合とコストが非常に大きくなっているが、重大な腐敗事件は後を絶たず、制度整備の面から考える必要がある。従って、政治体制改革を徐々に進め、社会主義民主と法制を整え、幹部任免の公開、公正な手続きを整備し、公務員の財産申告制度、離職の際の資産審査制度などを徐々に確立しなければならない。

持続可能な成長が資源、エネルギー、環境の重大な制約を受けている。1人当たりの資源量が少なく、資源利用率が低く、浪費が多い。長期にわたり、汚染物質の排出総量が多く、減らず、環境の自浄能力を大きく超えている。一部河川流域と都市の水と大気の汚染がかなり深刻で、一部地区の生態環境破壊の程度が進み、土地の砂漠化が深刻化している。

経済成長期の社会的心理状態の変化に注意しなければならない。この2年間、中国経済は高成長が続いたが、低所得者層の生活満足度は下がっている。主な原因は基本的食料品価格が経済の高成長の中で大幅に上昇していることである。消費支出の50〜60%を占める食料品支出の増加が生活満足度に直接影響を与え、拡大する貧富の格差も社会に対する態度、信頼により一層影響を与えている。

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