五千年前の星座図案石刀、青海で発見、天文観測史1000年さかのぼる
3月 11, 2005
(中国通信=東京)西寧11日発新華社電によると、中国の考古専門家が先ごろ青海省公伯峡ダム地区の拉毛遺跡を緊急発掘、星座図案のある双孔石刀を発見した。専門家は中国の天文観測史を書き換える可能性があるとしている。
拉毛遺跡は新石器時代の馬家窰文化の遺跡で、青海省黄南チベット族自治州尖扎県政府所在地から約9キロの拉毛村の西にある。青海省文物考古研究所研究室主任の劉宝山氏によると、今回発掘したのは灰溝や灰坑などの遺構10カ所余りで、大量の・石器・骨器が出土した。この長さ6センチ、幅3センチの石刀は灰溝の中で発見されたもの。
見事に磨き上げられたこの石刀には2つの孔(あな)があり、両端はノコギリの歯のようになっており、石刀の両面には大小が異なり、配列が不規則な、未貫通の孔がある。劉主任は次のように説明した。孔のある石刀は黄河流域で数多く発見されているが、このように見事に磨き上げられ、見事な孔のある双孔石刀は非常に珍しい。特に石刀両面にある大小の異なる未貫通の孔は珍しく、図案には一定の法則があり、勝手に彫ったものではない。ノコギリの歯に近いところにある図案は北斗七星と彦星で、識別できる。
また次のように話した。中国の天文観測の歴史は古く、「書経」には世界最古(紀元前2137年)の日食の記録が収録されている。夏・商・周の3王朝にも天文暦法の記載がある。今回発見された石刀は約5000年余り前の新石器時代晩期の馬家窰文化のものだ。そのため、石刀の発見は中国の天文観測の歴史を1000年さかのぼらせる可能性が出てきた。
星座図案のほか、両端にあるノコギリの歯も石刀の大きな特徴である。劉主任は次のように語った。当時石刀は農具として食糧の収穫に使われていた。これまでに発見された石刀にはノコギリの歯は付いていない。馬家窰文化時代に彩陶が盛んにつくられていることから、この石刀は陶器の紋飾をつくる道具として使われていた可能性もある。石刀の使用痕跡がはっきりしておらず、両端にあるノコギリの歯も明確に分かれていないため、石刀が祭祀の時に使われた法器の可能性がより高く、原始宗教の起源の研究にとって一定の研究価値を持っている。