中国の2004年度の10大考古発見
4月 20, 2005
(中国通信=東京)北京17日発新華社電によると、中国考古学会、中国文物報、「文物天地」雑誌社などが選ぶ2004年度の「中国の10大考古発見」の結果が17日、北京で明らかにされた。10大発見は以下の通り。
1、河北省易県の北福地史前遺跡。7000年〜8000年前の新石器時代の遺構で、長方形と方形の半地下穴式建物跡、祭祀場跡、人面と獣面陶刻面具が発見された。
2、山西省の芮城清涼寺墓地。これも新石器時代の遺構。墓地の総面積は5000平方メートル。昨年262基の墓を発掘。玉璧、玉鉞、玉�など、玉石器200点余りが出土した。
3、河南省の偃師二里頭遺跡宮殿区。これまでに中国で発見された最も古い宮城遺跡で、約3600年前のもの。すでに宮殿区の中軸線、道路網体系、宮城の城壁などが明らかになっている。
4、湖南省の寧郷炭河里西周城址。考古関係者は、城址で西周時代の城壁を発見・確認し、2つの大型建築土台を発掘、宮殿建築とみられる2つの大型建物遺跡を整理した。城外の台地上で、西周時代の小型貴族墓7基を発見、大量の青銅器と玉器が出土した。
5、江蘇省無錫の鴻山越国貴族墓。考古関係者は無錫鴻山鎮にある15カ所の小山を緊急発掘、戦国時代の越国の貴族墓7基を発見、中国の音楽考古でも非常に珍しい500点余りの楽器を含む2000点余りの副葬品が出土した。
6、遼寧省朝陽の十六国三燕竜城宮城南門遺跡。この城門遺跡は前燕に創建されたもので、前燕、後北燕、北魏、唐、遼、金元の6つの時代に建築・改築され、1000年余り続いた。中国の都市考古における極めて貴重な発見。
7、新彊ロプノールの小河墓地。この墓地の外観は楕円形の砂山で、衣装をまとったミイラ15体が出土した。これらのミイラが完全な形で残っていたのは、牛革の袋に包まれ密封されていたから。砂山には、男根と女陰を象徴する高くて大きな立木が突き刺してあった。これは古代ロプノールに暮らしていた住民の文化を示す痕跡。
8、広東省広州大学城の南漢二陵。広州大学城の建設現場で発見された南漢王陵、康陵と徳陵は中国で発見された数少ない五代十国時代の王陵。墓主は南漢国の2人の郡主、劉岩と劉隠。うち康陵には、墳丘に円丘があった。この「壇墓合一」の陵墓が中国で発見されたのは初めて。
9、浙江省杭州の厳官巷南宋臨安城御街遺跡。考古関係者は南宋時代の御街、橋脚、道路、殿址、囲壁、水路、石を積み上げた水門施設や元代の石板道路など、貴重な遺跡を発見した。これらの遺跡は、古代中国の都城制度の発展と変遷の研究にとって、非常に重要な価値がある。
10、四川省綿竹城関鎮の剣南春酒坊(酒屋)遺跡(清〜民国)。かなり完全な状態で残っていた酒坊街遺跡で、井戸、酒蔵、かまど、乾燥施設、溝、池、蒸留施設、路盤、食糧倉庫など、蒸留酒の醸造技術に密接な関係のある遺跡が大量に出土した。
中国の10大考古発見の選考が始まったのは1990年で、今回は15回目。社会に大きな影響を与え、考古学科の発展、考古知識の普及、文化財保護意識の育成を力強く促した。